krilosr’s blog

遠慮がちな社員から面白いアイデアがどんどん出てくる「全員経営」

フラット型組織の就業規則作成が得意なクリーロ企業文化研究所の公式ブログです

労使トラブルを未然に防ぐコツ

 先週から連日メディアを賑わせている吉本興業のトラブル。

当初は所属芸人と反社会勢力との関わりが焦点だったはすが、
いつの間にやら労使の対立にすり替わり、
パワハラやら処遇やらに対する不満が噴出。
あちこちに飛び火してしまっています。

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労使トラブルはホワイト企業でも起こる

こうした労使トラブルが起きるのがブラック企業だけか
というと、さにあらず。

社長が社員に最大限の配慮をしている
いわゆるホワイト企業でも起きてしまうのが現状です。

なぜなら、会社は感情を持つ人間の集団で
トラブルはボタンの掛け違いが発端となることが多いから。
処遇だけでは割り切れないのが人間の奥深いところです。

労使トラブルを未然に防ぐために大切なこと

人間の習性なら、打つ手はないのか?
というと、あります。

いくつかある打ち手の中で
一番有効なのは、
採用の時点で相性をある程度判断すること。

なぜなら、
労働法は経営者にとって制約が多く、
選択の自由が残されているのは採用の時だけ
と言っても過言ではないからです。

 

その際、是非やっていただきたいのが
社員が採用を行うという取り組みです。

経営者や役員のお眼鏡に叶っても、
職場と水が合わなければ、社員間・労使間両方のトラブルに繋がるからです。

 

そうはいっても、
「社員が個人的な相性で決めてしまうリスクはないの?」
「チェックリストと睨めっこで、つまんない人を採用してしまうリスクはないの?」
という疑問もおありだと思います。

そこで大切になるのが判断軸と企業文化です。
これが共有できていると、社員が肌感覚で判断できるようになります。

みんなで就業規則をつくると企業文化が共有できる 

 とはいえ、一朝一夕で共有できるものではありません。
いくつかアプローチ方法はありますが、
その一つが、
就業規則をみんなで作る体験です。

 

就業規則には、労働条件だけでなく、
服務規律など、会社での過ごし方を定める項目もあります。

社員自身で就業規則をつくることで、
おのずと自社の文化を意識することになります。

また、作成の過程で、
内容を理解するだけでなく行間にある空気感も共有できるようになり、
最終的に、企業文化と判断軸を共有できるようになるのです。

 

この経験を経た人が採用を行うと、
自分の好みだけで好き勝手に採用する
というリスクはかなり軽減します。

社労士のサポートが必要になりますが、
ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

 

セミナーのお知らせ

「みんなでつくる就業規則セミナー」
を 8/27(火)13時~17時
ちよだプラットフォームスクエアで開催します。

▼詳細はこちら

 

当日はゲームやワークを交えて
・なぜ社員自ら就業規則をつくると良いのか
・自由と好き勝手の区別をつけられる方法
イノベーションが起きる就業規則作成プロジェクトの進め方
について学ぶことができます。

お楽しみに!

 

www.kokuchpro.com

 

 

組織は発酵しながら出来てくる

 このところ組織開発のお話を聴く機会が多いです。

組織開発、組織づくり、チームビルディングなど
言葉は色々ありますが、

私としては、組織は作るものではなく「なる」もの。
「発酵」が今の私のスタンスに合うなあ、と思っています。

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集団が内包する力に委ねてみよう

会社に当てはめてみると、
社員おのおのが酵母で、
外からもたらされる切っ掛けは触媒です。

酵母が触媒に触れることで、
集団の中で自然と発酵が起こるのです。

 

外から手を加えたり、やり方を当てはめたりするのではなく、
あくまで、集団が内包する自然な力に委ねる
ということが大切だと思います。

 

上司や外部の専門家があれこれ指示すると即効性はありますが、
すぐに戻ってしまいます。

上意下達のマネジメントではなく、集団で自然発生的に学び合える環境整備。
環境に合わせてじわじわと変化していく発酵。
これがこれからの組織に大切だと考えています。

知恵を結集しないと解決できない大きな課題が発酵のきっかけに

で、それはどうやってやるのか?
と疑問に思われる方も多いと思いますが、
みんなの知恵を集めないと解決できないような大き目な課題に取り組むこと
が良いと思います。


ちなみに、就業規則をみんなでつくることも触媒の一つです。

 

就業規則づくりを通じて

自分たちで
・プロジェクトを発足し
・プロジェクトの目的と出来栄えの共有を行い
・ミーティング進行とスケジュール調整も行い
・学び合いをすることで

これまで思いもよらなかったようなアイデアが生まれやすい集団になっていきます。

 

ここでお知らせです。

「みんなでつくる就業規則セミナー」
を 8/27(火)13時~17時
ちよだプラットフォームスクエアで開催します。

▼詳細はこちら
 

当日はゲームやワークを交えて
・なぜ社員自ら就業規則をつくると良いのか
・自由と好き勝手の区別をつけられる方法
イノベーションが起きる就業規則作成プロジェクトの進め方
について学ぶことができます。

お楽しみに!

www.kokuchpro.com

 

 

社員が有給休暇をバランス良く取得するために必要なこと

昨日、足元が冷える場所に一日おり、レッグウォーマーをしていたのですが、
気付かずにそのまま電車に乗ってしまいました。
帰宅して驚愕した時には時既に遅し(^-^;)

 

さて、前回のメルマガでは
有給休暇取得の義務化を受けた
フル稼働の会社で有給休暇を年5日取得する秘策
についてお伝えしました。

今回は、有給休暇(以後有休とします)の取り方についてお伝えします。

 

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弊所のお客様もそうですが、
殆どの会社は限られた人数でやりくりしていると思います。

そうした環境では、
社員が有休をいかにバランス良く取得するか?
ということは、
会社にとっても社員にとっても重要な課題です。 

部分最適では有給休暇をバランス良く取得できない

少ない人数で頑張っている会社や部署で
一度に複数人に有休を取得されたり、
同じ人ばかり希望通りに休んで他の人が遠慮する羽目になったりすると、
たまったものではありませんからね。

 

このような、個人にとってはベストだけれど
チームや他のメンバーにとっては不利益になることを
部分最適といいます。

 

しかし、チーム全体を見渡せる目が養われると
自然と折り合いを付けながら有休を取るようになります。

我慢を強いられるのではなく、
お互い様の精神を持った方が結果的に得になる。
と社員が実感するようになるからです。

社員が自然と折り合いを付けながら有給休暇を取るには?

なんかわかったようなわからないような。
よしんばそうだったとして、どうやるの?
という疑問があると思います。

 

それを解消する方法は、
就業規則を社員自身でつくることです。
ご参考までに以前の記事はこちら↓
就業規則はみんなでつくろう


就業規則を自分たちで作る
ということは、社員が自治を行うということです。

 

休暇は就業規則の絶対的記載事項ですので、
作る際に必ず有休の取り方を検討することになります。

どうやって取得するのが全体最適になるのか?
ということを自ら考えますし、
メリットと課題、課題の克服方法まで検討しますので、
結果的に折り合いを付けながら取得できるようになるのです。

 

実際にどんなステップでつくっていくのかご関心のある方は
全員経営プログラム 
のSTEP1~8をご参照ください!

 

セミナー開催のお知らせ

社員による自治ができるようになる就業規則づくりのセミナーを

8/27(火)13時~17時
ちよだプラットフォームスクエアで開催します。

うちの会社でもやってみたい!という方はもちろん、
実際どうやって社員でつくるの?
ということが気になる方も是非!

www.kokuchpro.com

 

フル稼働の会社で有給休暇を年5日取得する秘策

働き方改革関連法が施行され、この4月から
年10日以上の有給休暇が付与される社員に対して
年5日の有給休暇を確実に取得させることが義務になりました。

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そこで頭を抱えているのが経営者の方々。
弊所の社労士分野のお客様からも、施行前に

「フル稼働のうえに残業に休日出勤までしているから、有給休暇を取得してもらえる余地がないんだよね。」

「仕方ないから人を雇うしかないけど、今求人難だからなあ。」

「そもそも社員が休みたがらないんだよね。残業代と休日出勤代をあてにしてるから。」

という声が上がっていました。

法律に従順になる前にできることはコレ 

現実と法律のはざまで悩みますよね。

経営者も社員も全然納得いかないけど、
法律だから有給休暇を取得してもらうしかない。

というのは、
ちょっと待ってください!
社労士をやっている私が言うのもなんですが…

 

これでは法律は守れますが、
現場の士気も落ちますし、経営も逼迫します。

フル稼働の現場で無理やり休みをねじ込むと、
その分業務が滞ってしまいますからね。

 

では、仕方ない採用するか(それ以前に今は空前の採用難ではありますが)
というのも思い止まっていただきたい。

なぜなら、今のままの業務フローのままだと、
社員が増えても、問題が拡大再生産されるだけだからです。

対処療法ではなく、業務フローを改革しましょう。 

ボトルネックを見つけることが突破口に 

以前の記事頑張り過ぎないとうまくいく
でもお伝えしましたが、
全体最適を考えることが大切です。

 

どうやったら、
経営者も社員も気持ちよく働けて、会社にとってプラスになるか?
を考え、

今、それを妨げているボトルネックは何か?
を見付けるところから始めましょう。

 

そして、まずはそのボトルネックに合わせて業務フロー自体を改革します。

ボトルネックを補強するのは、その後です。

 

これに取り組んだ会社では、
だいたいボトルネックを補強しなくても
労働時間が減り、有給休暇が取れるようになっています。

そして、ここがとっても大事
粗利が増え、キャッシュフローも改善します!

 

そんなムシのいい話あるかな?
と思われた方もいらっしゃると思います(笑)

そんな方にお薦めなのが、こちらの本です。

ザ・ゴール

よりわかり易いコミック

 

理屈よりも、とにかくやってみたい!
という方には、研修をご用意しております。
ご関心のある方はこちらもぜひ!

全員経営プログラム
(STEP4 業務フロー改革研修がTOCです)

セミナー開催のお知らせ

お待たせしました!
「みんなでつくる就業規則セミナー」
を8/27(火)13時~17時 に開催します。

詳細が決まりましたら、またお知らせしますね。
お楽しみに!

 

peraichi.com

遊ぶように仕事するということ

 先日、博多にあるティール組織・ホラクラシー経営を実践している会社
の見学に行ってきました。

ティール組織・ホラクラシー経営については
先日の記事 ホラクラシー経営者から学んだ秘訣 をご参照ください。

 

件の会社がなぜこうした組織にしたかというと、
会長が子供だった頃の「秘密基地遊び」が原点になっているそうです。

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夢中になった遊びの記憶を辿ってみよう 

ルールも会議もないけど、なんとなくみんなで楽しく作り上げていた秘密基地。
これが会社でも再現できるのではないか?社会実験してみよう!
から始まり、今のような組織になったとのことでした。

 

とはいえ、
採算度外視で経営しているわけではなく、現在23期目でスタッフ数200名超。
売上は70億円に達しているそうです。

 

このお話を聴いて、ここ数年言われ出した「遊ぶように仕事をする」
の答えを見たような気がしました。 

 

社員みんなが、

・子供の頃に何に夢中になっていて

・なぜそれが好きだったのか?

・どんな風に遊んでいたのか?

・遊ぶ時にどんな思考を巡らせていたのか?

を紐解いてみると、面白いことになりそうです。

自然体で夢中になれるアプローチを見つけよう

子供の頃に夢中になっていたことは、自身の価値観に直結していることが
少なくありません。
これは、経営理念づくりのお手伝いをしてきた経験から、自信をもって言えます。

ちなみに、私が夢中になっていたのは「自転車で知らない道を探検すること」
新しいものを見つける楽しみ、独自性を探る喜び は今もなお、です(笑)

とまあ私の話はさておき、

 

経営者はもとより、社員それぞれの価値観を大切にする

子供の頃の記憶を呼び覚まして
自分が自然体で夢中になれるアプローチを見つける

そして、それを仕事に転用してみる

そうやって、みんながワクワクする感じを再現する

 

これこそが、
社員が活き活きと働け自然と成果を生み出す
いわゆる「遊ぶように仕事する」なのではないか?
と思い至った次第です。

 

遊ぶように仕事をしてみたい方におススメ
胸躍るルーツ発掘からビジネスのたくらみまでできちゃう
全員経営プロジェクトは▼こちら

セミナー予告

お待たせしました!
「みんなでつくる就業規則セミナー」
を8/27(火)13時~17時 に開催します。

詳細が決まりましたら、またお知らせしますね。
お楽しみに!

 

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頑張りすぎないとうまくいく

以前の日本では頑張ることが美徳とされてきました。
私がまだ10代だった頃(年がばれますね(笑)(笑))
24時間戦えますか!?
というCMがありました。
全力投球の熱血ビジネスマンがもてはやされていたのです。

 

なぜこんな話を始めたかというと、今、社労士業界は繁忙期なのです。
年に一度の労働保険年度更新業務と社会保険の算定基礎届作成業務があるからなんですね。

弊所も例にもれずいつもよりも業務量が多いですが、
焦らずマイペースで出来ています。
なぜなら、あることを知ってしまったからです!
(胡散臭い始まり(笑))

 

あることとは何か?
それは、
「頑張り過ぎると却って成果が下がってしまう。」ということ。
そんなお話を今日はします。

ボトルネックがすべてを決める

えっ、どういうこと!?
気になりますか?なりますよね(笑)

とあるアパレルメーカーの例をご紹介します。
(わかり易いようにデフォルメしております)

 

各部署の1日の処理能力はこんな感じです。
(下の図をご覧ください)

 

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受注:10
デザイン:9
裁断:8
縫製:5
検品:9
出荷:10

 

さて、このメーカーの1日の出荷量はいくつでしょう?

・ 

10
…ではなくて「5」ですよね。

いくら営業部門が頑張って受注してきても、
縫製部門の処理能力が5なら、
5しか出荷できません。

縫製部門のところで業務の流れが詰まっているからです。
この詰まりを「ボトルネック」といいます。

 

縫製の前工程がフル稼働で頑張る(これを部分最適といいます)と、
仕掛品の山が出来てしまいます。

 

そして保管コスト(地代、管理費などなど)が嵩み
キャッシュフローが悪化します。

そのうえ、市場の流れが変わってしまい
たんまりある仕掛品が陳腐化するリスクもあります。

何よりも必死で働いた労力と時間が無駄になってしまいます。
当然その分の賃金も発生します。
なんてことでしょう!!

ボトルネックに合わせて劇的改善 

では、各部門が縫製部門に合わせて
5だけ処理するように調整したらどうなるでしょうか?

 

処理量が5に減るのですから、
縫製以外の全ての部門でゆとりが生まれます。

その結果、労働時間が減り、その分の賃金も減ります。
仕掛品の保管コストもかかりません。

一円も投資していないのに
キャッシュフローが改善しました。

 

おまけに、時間のゆとりができたので、
縫製部門の見直しをサポートすることができました。

結果的に各部門で6ずつ処理できるようになり、
全体の業績もアップしちゃいました!

 

夢みたい!!
いいえ、これは現実です。
これを「全体最適」といいます。

全体最適を意識するとうまくいく 

この仕組みはどんな業種でもどんな規模でも活用できます。
弊所のような一人でやっているサービス業でも、です。

 

どの工程がボトルネックになっているかを把握できれば、
ボトルネックに他の工程を合わせることによって
無駄に慌てることもなく、
成果につながらないことに労力を割くことがなくなります

 

みなさんもお仕事が溜まったり
がむしゃらに頑張っているのになぜか成果が上がらない
と焦ることがあると思います。

そんな時には、
ぜひこのことを思い出していただけると嬉しいです!

 

ちなみに、この仕組みは
以前にもご紹介したTOC(制約理論)です。

TOC?何それ?という方にお薦めなのが
ザ・ゴールという本です。

よりわかり易いコミック版もあります。

 

また、弊所で研修も提供しておりますので、
ご関心のある方はこちらもぜひ!

全員経営プログラム
(STEP4 業務フロー改革研修がTOCです)

 

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無意識がもたらす多様化

先日、人事コンサルタント向けの研修会で講師をさせていただいたのですが、
その懇親会の席で「多様性への対応」が話題にのぼりました。

みなさんの周りでも、
話題にのぼることがあるのではないでしょうか。

 

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多様性を意識し過ぎると思考が縛られる 

今般の働き方改革も、「多様な働き方」がキーワードになっていますし、

ここ数年、ダイバーシティ
ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)など、
次々と多様性を表す言葉がメジャーになってきています。

 

言葉が増え、話題にのぼることで、
多様性を大切にする社会になってきた
と思いがちですが、

実のところ、定義が明確化されたことにより、今までになかった区分けがされ、
その枠の中の純度は以前より高くなっているのでは?
という気もしています。

 

そんなことから、あまり多様性を意識しすぎると、
細分化され過ぎてしまい、その枠に思考が縛られてしまうのでは?
と個人的に危惧しています。

無意識がもたらす多様化

私が子供の頃は、多様性という発想はありませんでしたが、
地域や学校で色んな人と場を共にしていました。
おそらく無意識のうちに
今でいうところの「多様化された」状態になっていたのだと思います。

 

色んな持ち味や特性が織り成されて一人の人間が出来ています。

その中で目に付く一つを取り出して
型にはめることがないようにしたいものです。

 

会社に置き換えて考えてみると、

多様性を意識して

・制約のある人を採用して
・その人に合わせた制度を整えよう

ではなく、

 

シンプルに、

・一緒に働きたいなと思う人なら境遇に関係なく仲間にして
・気持ちよく働ける工夫をみんなでしよう

の順番で取り組むと良いと思います。

 

今後、社内の環境を整える際には、
このことを思い出していただけると幸いです!

 

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