krilosr’s blog

遠慮がちな社員から面白いアイデアがどんどん出てくる「全員経営」

フラット型組織の就業規則作成が得意なクリーロ企業文化研究所の公式ブログです

結果をほめるよりもプロセスを承認しよう

あなたは有能な社員に対して、
「Aさん、今月も売上1位でさすがだね。出来る人は違うね~!」
「Bさんの資料の完成度は凄いよね。やっぱりセンスあるといいねえ。」
なんて、 結果や能力をほめていませんか?
 
「えっ、ほめるのはいいことでしょ?」
という反論が聞こえてきそうです。
 
確かにほめないよりは良いですが、
その結果に至るプロセスを承認したうえでほめることの方が、もっと大切です。
 
では、なぜ最初にプロセスを承認することが大切なのでしょうか?
それは、社員の安心感と自己肯定感につながるからです。
 
能力が高い社員でも、易々と結果が出せるわけではありません。
結果に至るまでの努力や試行錯誤といったプロセスが必ずあります。
そのプロセスが承認されると、
社員は「気に掛けてもらえているんだ。うちの会社は結果だけが求められているんじゃなくて、取り組みも認めてもらえる場所なんだ。」
と安心感と自己肯定感を抱きます。
そして、ますます一つ一つの仕事に真摯に取り組むようになり、それが自ずと結果として実を結ぶようになるのです。
 
とはいえ、プロセスはなかなか把握しづらいですよね。
そこで大切なのが、社員をよく観察することです。
よく観察することで、プロセスやささいな言動などを把握しやすくなります。
 
把握できたら承認しましょう。
プロセス承認 の具体的な実践例を挙げてみます。
・結果よりも、社員が目標を達成するプロセスなどを認めたり、ほめたりしている
・社員の言動において、小さなことこそ認めたり、ほめたりしている
 
いかがでしょう。できそうですか?
まずは今から試してみましょう。
少しずつ社員との関係性が変わりますよ!

社員がチャレンジしやすい環境を整えよう

社員に現状を打破して欲しいのに、
「社員が達成可能な目標を掲げがち」
「前例にとらわれ、新しいことにチャレンジしない」
と、ぼやく経営者がいます。
 
確かに、前例や過去の成功体験を踏襲すると、失敗する確率は低くなりますが、進歩がありません。
それどころか後退するリスクも高いです。
大きくうなずかれた読者も多いのではないでしょうか。
 
ところで、そんなあなたの会社はチャレンジしやすい環境になっていますか?
 
チャレンジしやすい環境の目安は以下のとおりです。
・現状よりレベルの高い仕事を与えている
・失敗は成功へのプロセスとして、チャレンジしたこと自体を讃えている
・たとえ失敗しても、チャレンジした過程でうまく行ったことを認めている
・新しいやり方や発想が必要となる目標を持たせ実践している
 
では、なぜチャレンジしやすい環境が必要なのでしょうか?
 
それは、結果ばかりが重んじられる環境だと、社員が萎縮してしまい、
リスクの少ない前例の踏襲に留まったり、達成可能な目標を選択しがちになったりするからです。
すなわち、冒頭の経営者のお悩みのループとなるのです。
 
たとえ経営者が「チャレンジすべし」と号令をかけていても、環境が整っていなければ、社員は取り組みようがありません。
社員に現状打破してチャレンジして欲しいなら、上記のチャレンジしやすい環境を整えていきましょう。
 
失敗したからと言って、結果のみに着目して叱責してはダメですよ。
チャレンジの過程で、うまく行ったところ、今後活用や展開が可能なところがあれば、大いに認め讃えましょう!
 
まずは経営者からチャレンジを!

決め過ぎてキマラナイ経営者になっていませんか?

経営者の大事な仕事の一つは決定すること。
日々の経営に関する事項から細々した業務遂行まで、アレもコレも自分が決めなきゃ。
「自分の決定に社員の生活がかかっている。」
そう断言する経営者もいます。
 
しかし、本当に細部にわたるまで経営者が決める必要があるのでしょうか?
その根拠はなんでしょうか?
 
経営者が細々したことまで決め、社員に意思決定権を与えないことは、
社員が自ら考え行動する機会を奪うことになります。
 
社員はあなたの手足ではありません。
頭脳のある独立した個人です。
一定の意思決定権を与えることこそ、社員の自律支援につながります。
 
経営者はビシッと方向性を決め、
「ここからはみ出さなければOK」というフェアウェイさえ決めてしまえば、
他の意思決定は社員に任せてよいのです。
 
経営者としては、
「自分が目を離すとフェアウェイから外れた決定をしてしまうかもしれない。」
そんな不安があるかもしれません。
 
しかし、それを解決する方法はあります。
それは、経営者の本音をもとに経営理念をつくり、
その理念をもとに企業文化をつくることです。
 
経営理念をみんなで共有し、企業文化をつくりあげれば、
社員はその文化にふさわしい意思決定をするため、
おのずとフェアウェイから外れた選択はしなくなります。
 
さあ、あなたも思い込みから脱却しませんか?
そして、企業文化づくりに取り組みましょう。
決めすぎないのにキマッてる経営者になれますよ!

社員の自律性を育みたいなら前準備をお忘れなく

経営者のお悩みとして多いのは、
「社員の自律性を育成したいが、上手くいかない。」です。
あれやこれや試行錯誤を重ねて日々奮闘されているのですが、
なかなか思うようにはなりません。

 

先日あったご相談では
社員が物理的に依存できないよう、
会社にいる頻度を急に減らしたら、
社員の不満が増大した。
というものがありました。

 

これまで頼りっきりだった社長がいきなりいなくなってしまったので、
意思決定が滞ってしまい、社員が困ってしまったんですね。

 

経営者になる人は、決断の早い人が多いです。
そこで、つい自分に置き換えて「このくらい大丈夫だろう。」

とやってしまうのですが、
いきなり理由の説明もなく経営者の在社頻度が激減すると、
当然ながら社員もとまどいます。
荒療治が過ぎるというものです。

 

何かを始める時は、かならず社員に
・なぜやるのか
・会社の目指している方向性はどちらなのか
ということを説明しましょう。

 

先の例に置き換えると、
・社員のみんなに意思決定できるようになって欲しいので、自分(社長)は社外活動を増やす
・ついては、どのようにやれば意思決定ができるようになるか、みんなで考えよう
という前準備が必要なのです。

 

でないと、
「ま~た社長の気まぐれが始まった!」
「聞いてきたことを後先考えずに試そうとする。」
と社員の不満が鬱積します。

 

経営者はバイタリティのある方が多いので、
ついつい『獅子の子落とし』をやってしまいがちですが、
きちんと手順を踏んで実行しましょう!

思い遣りのつもりが価値観の押し付けに!?

日頃経営者の方々とお話をしていると、

社員にとても気を配っていることがわかります。

会社で仕事の成果を最大限に発揮してもらうためにも、

社員に少しでもモチベーションを上げて欲しい、

と思うからでしょう。

 

そこからの派生になりますが、

「うちの業種はつまらない苦痛な仕事が多いから、社員が気の毒だ。」

と言う方も結構いらっしゃいます。

表情をみていると、いわゆる照れ隠しではなく、

社員を心から思いやっているのがわかります。

 

社員を思いやる社長。

素晴らしい社長に思えますよね。

しかし、そうとも言い切れないのが辛いところです。

思いやりという行為自体はとても大切なことですが、

その思いやる内容が問題なのです。

 

おそらく思いやりの第一フィルターとして使われているのは、

子供の頃に教えられた

「自分が嫌なことは人にしてはいけません」

という言葉です。

残念なことに、この言葉を曲解している社長が多いのです。

 

ここでの嫌なことは、道徳にもとることです。

自分が苦手なこと、嫌いなこと、ではありません。

 

人それぞれ持ち味も、得意分野も違います。

自分が苦手なこと、嫌いなことをさせない。

ということは、相手を思いやっているつもりで、

無意識のうちに価値観を押し付けているのです。

 

一番スッキリするのは、

社長が「つまらない」と思う仕事は、業務内容から外すことです。

「そうは言っても取引先との関係上、簡単に辞められないよ~」

と言うのであれば、視点を変えてみましょう。

 

先ほども書きましたが、人間には一人ひとり異なる持ち味があります。

社長のあなたにはつまらない仕事でも、

社員Aさんにとってみれば面白い仕事かもしれません。

これがチャンスだと思って、

社長にとって苦痛なこと、つまらないことは、まずは社員に任せてみましょう。

結果、社員にとっても苦痛であり、つまらないことであれば、思い切ってその業務はなくすか外注しましょう。

 

もし、社員にとってやりがいのあることであれば、

会社の方針から外れない範囲で全面的に任せてしまうことで、

自然に社員の自律性を育くむことができます。

大切なのは決め付けないことです。

思いやりが価値観の押し付けになっていないか、時々立ち止まって考えてみましょう。

素敵なオフィスに潜む罠

サイボウズ日本橋オフィスや楽天のクリムゾンハウスなど、

従来の常識を覆すようなオフィス環境が次々と創造されています。

世界に目を向ければ、Appleや今をときめくAirbnbなどのオフィスもそれはそれは斬新です。

とはいえ元々がアメリカからの流れではありますが。

 

今や、こうした先進的な企業だけでなく、

日本の伝統的な企業でもオフィスに手を入れて、

フリーアドレスを推進する動きがあります。

 

事務作業をするのに適した従来の画一的な空間からの脱却。

というと、とてもカッコイイのですが、

こうした時流に乗った素敵なオフィスが増えるにつれ、

なんとなく違和感を覚えるのも事実です。

 

日本の企業の中には、

・脚光を浴びている一部の先進的な企業がやっているから

・オフィスを綺麗にしたらイメージアップするから

というお門違いの理由でフリーアドレス化を進めているところもあります。

 

フリーアドレスで部署間の対話を増やすはずだったのに、

理想のオフィスを実現するために、あれやこれや欲張っていたら、

スペースが足りなくなり、別のビルを借りる羽目になった。

という笑えない実話もあります。

 

何のためにオフィス環境を刷新するのか、

原点に立ち返ることが大切です。

 

対外的なイメージアップのためですか?

であれば、即座に中止すべきです。

投資に値しません。無駄です。

 

もう一度胸に手を当てて考えてみましょう。

本当の目的は、会社に関わる人同士の対話を増やしたり、

社員の創造性を育む環境をつくるためではありませんでしたか?

 

先述のAirbnbでは、「暮らすように旅しよう」

という社是を体現したオフィスづくりをしています。

たとえば、世界各国に実在する家屋をモチーフに会議室や食堂や打ち合わせスペースを作る、

という念の入りようです。

社是を体現した場所で働けば、おのずと社員と社是が共有できるからですね。

 

オフィスは大切な会社と社員を包む器です。

会社の方針や社員の意識に大きな影響を及ぼします。

理念に沿わないオフィス環境の刷新は厳に慎みましょう。

流行のその制度あなたの会社に合いますか?

流行の制度を次々に取り入れる経営者がいます。

成果主義、360度評価、テレワークなどなど枚挙にいとまがありません。

 

先般女性活躍推進法が施行されたこともあり、

今は育児中の女性に配慮した制度が花盛りです。

 

厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」

 

現政府が「一億層活躍社会の実現」を標榜していることもあり、

大手企業はこぞって育児や介護といった事情で第一線で働けない社員のための制度づくりに取り組もうとしています。

 

様々な事情を抱えた社員が働きやすいように制度を充実させる。

多様性を包含する会社にする。

一見素晴らしいことのように思えます。

しかし、本当にこれで良いのでしょうか?

 

潤沢なリソースがある大企業は、まあよいかもしれません。

しかし、中小企業は熟慮のうえ取捨選択する必要があります。

 

具体的には、

・会社の理念に合っているか

・イメージアップに利用していないか

・事情を抱えた社員に過剰に配慮を示し、従来の社員をないがしろにしていないか

・勤務を継続しやすくなっているだけで、意欲を喚起できていなくはないか

・成果に繋がるのか

といったことです。

 

目的は、様々な事情を抱えた社員を在籍させておくことではありません。

ましてや、イメージアップに利用するのは論外です。

いつの時代にも大切なのは、

社員が成長できる場をつくり、

会社も業績を上げることです。

 

制度と装いには共通点があります。

どんなに流行っていても、合わないものは合いません。

当人はご満悦でも、他人からは一目瞭然です。

 

流行の制度が自分の会社の文化に合うかどうか、

目的に沿っているかどうか、

よくよく考慮のうえ取り組んでくださいね。