よい企業文化があれば戦略戦術はいらない、わけではありません!
常日頃、
「企業文化が経営を大きく左右します。」
とお話しておりますが、
当然ながら目的はよい企業文化をつくることではありません。
業績を上げ、会社を存続させることです。
かの二宮尊徳翁の言葉に
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である。」
というものがあります。
道徳にもとり我欲を追求する経営は、最初は多少儲かったとしても、やがて廃れます。
とはいえ、道徳に比重を置きすぎ経済がおろそかだと会社は存続できません。
道徳と経済は、会社経営において両輪です。
私はよく経営をパソコンに例えていますが、
企業文化はOSで、戦略戦術はアプリケーションソフトです。
二つ揃わなければ用をなしませんし、活用するには順番を守る必要があります。
戦略戦術の効果をいかんなく発揮するためには、まずはよい企業文化づくりに取り組むことが不可欠なのです。
何のためによい企業文化をつくるのか、目的を常に意識して取り組みましょう!
あいさつは居場所をつくる特効薬!?
あなたの会社では、どんなあいさつをされていますか?
と聞かれると、答えに窮する方も多いのではないでしょうか。
もし、無意識にされているのでしたら、今日から意識を変えてみてください。
先日研修で携わった会社に、2週間前に中途入社した社員がいました。
専門家集団ということもあってか、周りに圧倒されてしまい身の置き場がないとのこと。
もちろん、他の社員はその方を歓迎されているのですが、どうにもそれがご本人に伝わっていないようです。
しばし観察すると、至って普通に接しており、特に問題なし、と見過ごしてしまいそうです。
こんな時に威力を発揮するのが、「意識してする」あいさつです。
「顔を見て、名前を呼んで、あいさつする」
これだけです。
たったそれだけ?と拍子抜けしそうですが、
・顔を見る
・名前を呼ぶ
という、誰に対してあいさつしているのかが明らかにわかることが大切なのです。
あいさつは、単なるマナーではありません。
お互いの存在を認め、コミュニケーションを取るためにあるのです。
存在を認めることで、相手の居場所をつくります。
たった一言のあいさつで、職場が明るくもなれば暗くもなる、特効薬なのです。
ちなみに具体的な実践例はこちらです。
・あいさつの意味を社員に伝えている
・相手の顔をみて笑顔であいさつしている
・上司が部下より先にあいさつしている
・経営幹部が率先して自分からあいさつしている
ぜひ、これから意識して取り組んでください。
当たり前のことを当たり前にし続ければ、会社が変わりますよ。
顧客満足は社員満足より出でる!?
経営者に、どんな会社にしたいですか?と質問すると、
「お客様を大切にする会社。」
と答えられる方がそこそこいます。
明確なビジョンがない会社では、特に顕著です。
確かに顧客あっての企業という側面は否定できません。
そのため、会社も顧客満足(CS)を最重視しがちです。
だからこそ、考えていただきたいことがあります。
それは、あなたの会社の商品・サービスを創り提供するのは誰か?
ということです。
言わずもがな社員のみなさんです。
ところで、あなたは、格安居酒屋でひざまずかれて居た堪れない思いをしたことはないですか?
社員に無理をさせる顧客第一主義は、こうして必ず顧客に見破られます。
では、顧客が心地よく感じる商品・サービスを提供するにはどうすればよいのでしょうか?
それは、社員があなたの会社で働くことに喜びを感じるような、働きやすい環境の整備に取り組むことです。
こうした社員満足(ES)向上への取り組みが、CS向上につながります。
では、具体的にどのように取り組めばよいのでしょうか?実践例を挙げてみます。
・社員の声をアンケート調査などで定期的に聴き、結果をフィードバックし、必要な対策を講じている。
・社員の声を定期的に聴き、職場環境、仕事環境の改善に活かしている。
などです。
地道な努力が必要ですが、効果はあります。
今日から是非取り組みましょう。
社長の「自分の分身が欲しい」はこれで解決!
プレイングマネジャータイプの社長には共通の願いがあります。
一体何だと思いますか?
それは「自分の分身が欲しい」ということ。
お客様から「やっぱり○○さんが来てくれると安心するね~」と言われることに徐々に不安を覚えてきた、という方が実に多いのです。
その人当たりの良さと対応力の高さを買われ、依頼が引きも切らないようになると、全ての顧客の期待に応えたくても物理的に限界が見えてきます。
そのため社員に対応してもらいますが、
お客様は社長のファンなので、社員が行くと不満につながる。
という悩みが生じます。
そうして、冒頭の「自分の分身が欲しい」に繋がるのです。
そんな悩み深きみなさま、実は画期的な解決方法があるんです!
一体なんだと思いますか?
それは、社長のファンを会社のファンにしてしまうことです。
でも、どうやって?
社長の本音からつくった経営理念をベースに企業文化を醸成し、社員と共有することで実現できます。
では、具体的にどのように取り組めばよいのでしょうか?実践例を挙げてみます。
・経営理念と社長の本音に乖離がないかチェックする。
・経営理念に込められた社長の本音をことあるごとに社員に語りかける。
・経営理念を具現化するための仕組みづくりを、社員主体で取り組めるように支援する。
などです。
社員みんなが同じ理念で仕事ができるようになると、社長のファンは徐々に会社のファンへと成長します。
さあ、あなたの会社も取り組んでみませんか?
現場主義の体現のつもりで現場仕事をしていませんか?
お客様のお話を伺っていると、
経営者自ら社員と一緒に現場仕事をしていることがままあります。
理由は
・現場主義だから
・お客様に、「やっぱり〇〇さんにお願いしたい!」と言われるから
・社員に背中を見せたいから
など様々ですが、自ら望んでされていることが多いです。
クリエイティブな職業やコンサルタントなど、
経営者本人と仕事が密接に結びついているものは致し方ない側面もありますが、
そうでない場合は、一刻も早くやめましょう。
経営に携われる時間が大きく減ります。
「そうは言っても経営者も現場を知る必要があるんじゃない?」
一理ありますが、そのために社員と同じ仕事をする必要はありません。
現場の状況を適切に把握し、それを経営に活かすことができればよいのです。
では、具体的にどのように取り組めばよいのでしょうか?実践例を挙げてみます。
・経営者が定期的に現場を観察し、事実を認識したうえで現場の社員とともに問題解決をはかっている
・現場の意向や現場で得られた事実を経営改善計画に活かしている
・現場で働く社員に対して働きやすい職場環境の整備をしている
などです。
現場主義とは社員と一緒に現場仕事をして額に汗することではありません。
現場の状況を適切に把握し、経営に活かすことです。
自己満足のために本業が疎かになっては本末転倒。
心当たりのある方は今すぐ改善しましょう!